熊本県頭地下手遺跡出土の擦切石斧について
山崎 純男
( YAMASAKI Sumio )
頭地下手遺跡出土の擦切石斧の紹介を兼ねて、九州における擦切石斧、擦切り具について検討を加えた。 その結果、九州における擦切石斧は日本列島における擦切り技法南下ルートから島根地域を経由して伝播した と考えるのが最も妥当である。東日本的文物の搬入、その影響による展開、新たな土器製作技術、擦切り技法による新たな石器製作技術の定着と展開は、以後の文化を変容・規定していく要素としてその意義は大きい。