幅・津留遺跡出土砥石の検討
森 貴教
( MORI Takanori )
幅・津留遺跡出土の砥石を対象として、砥石目・形態(定形・不定形)・使用石材・使用痕(溝状痕、光沢、錆状付着物)・重量について分析し、砥石の消費形態に幅地区と津留地区とで差異があることを指摘した。出土様相の空間的な差異を時期差と捉えられるのであれば、弥生時代中期後半から後期にかけての鉄器化の一端を示しているといえる。また、津留地区出土砥石に青灰色泥岩製のものが認められ、北部九州から搬入されたものと考えられる。