鳥の子皿稿 —伝世した白磁の皿—
小澤 一弘
堀木 真美子
中国宋代の定窯の白磁に倣った白磁を、茶人が淡黄色で光沢のある白い鶏卵に似ていることから「鳥の子手」「鳥子」と称した。伝世した白磁の皿より「鳥の子」製品について検討した。『策彦入明記』と茶会記から「トリ皿」にはじまり「鳥皿」「鳥の子」への名称の変遷をたどり、遺跡出土品と茶会記から天正年間以前に「鳥の子」が存在していたことをあきらかにするとともに、名称では天文16年頃にさかのぼる可能性があることを推察した。
今回紹介した伝世品の釉薬や覆輪などの蛍光X 線分析を行った。その結果、覆輪が真鍮製であることが判明した。
今回紹介した伝世品の釉薬や覆輪などの蛍光X 線分析を行った。その結果、覆輪が真鍮製であることが判明した。