藤枝市中ノ合遺跡から出土した扉板について
中川 律子
藤枝市中ノ合遺跡は志太平野の北東部に位置する集落遺跡である。調査原因となった新東名(第二東名)高速道路の建設に伴う埋蔵文化財発掘調査では葉梨川流域に数多くの発見をもたらした。瀬戸川層群から続く丘陵の裾に築かれた弥生時代後期から古墳時代の集落と低湿地に広がる水田、低丘陵地には須恵器窯や古墳時代の後期群集墳など、当地域の新しい資料が著しく増加した。それらを再整理するなかで中ノ合遺跡から出土した木製品のなかに扉板があることが判明した。接合して扉板となった木製品資料の再報告をするとともに、県内の類似する木製品を交えて扉板の構造を考えてみる。