地誌とビジュアルメディアから鈴川の富士塚の実像を探る
井上 卓哉
本論では、鈴川の富士塚の実像を探ることを目的に、地誌類に記された言説及び、登山絵図・絵葉書・空中写真というビジュアルメディアから分析をおこなった。その結果として、富士山へ登る道者が安全祈願のために石を積んだという習俗は、江戸時代の初期にはすでに失わ
れていた可能性が明らかとなった。
現在の鈴川の富士塚は新たに造成されたもので、史跡としての評価は今後慎重に検討しなければならないが、その造成により、富士山信仰にまつわる場所であったということや、富士山を美しく眺めることのできる名所であったことに対する再認識がおこなわれ、それが現在に至っているという点では、ある種の記憶装置として重要な価値を有しているともいえる。
れていた可能性が明らかとなった。
現在の鈴川の富士塚は新たに造成されたもので、史跡としての評価は今後慎重に検討しなければならないが、その造成により、富士山信仰にまつわる場所であったということや、富士山を美しく眺めることのできる名所であったことに対する再認識がおこなわれ、それが現在に至っているという点では、ある種の記憶装置として重要な価値を有しているともいえる。
井上卓哉 2018「地誌とビジュアルメディアから鈴川の富士塚の実像を探る」 『鈴川の富士塚』富士市文化財調査報告書
https://sitereports.nabunken.go.jp/ja/article/127215
