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所在検索サービスで資料のデジタル公開を行うための導入的な解説

数藤 雅彦 ( 五常総合法律事務所 )

Sudo Masahiko ( Gojo Partners )
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データ登録機関 : 奈良文化財研究所 - 奈良県
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数藤雅彦 2025 「所在検索サービスで資料のデジタル公開を行うための導入的な解説」 『デジタル技術による文化財情報の記録と利活用』 XR・LiDAR・3D・デジタルアーカイブ・知的財産権 https://sitereports.nabunken.go.jp/online-library/report/96
目次

1 はじめに

 本稿は、著作権法47条の5のいわゆる所在検索サービスについて解説するものである。

 所在検索サービスとは、ごく簡単に言えば、「検索により求める情報の特定又は所在に関する情報を検索し、及びその結果を提供するサービス」である[1] 。

 文化財の研究機関や博物館、美術館などの文化施設は、貴重な資料を数多く持っている。これらの資料(著作物)をデータベースで公開して、検索結果とともにその著作物の一部だけでも表示できれば、調べ物をしている利用者にとって有益だろう。ただし、著作権が存続している資料をデジタル複製してインターネット等で公開するためには、原則として著作権の処理が必要になるところ、資料の中には、まだ著作権の処理が終わっていないものもあるかと思われる。

 このような場合に使えるのが、2018年(平成30年)の著作権法改正で導入された[2] 所在検索サービスである。著作権法は、所在検索サービスを提供する場合に、一定の範囲で著作権者の許諾なく著作物を複製し、公衆送信等することを認めている。しかし、文化施設の現場を見ると、改正から約7年が経った今でも、所在検索サービスに関する著作権法の定めやその意義が十分に知られていない状況にある。

 そこで本稿では、まず2章で所在検索サービスの概要を述べる。3章では、所在検索サービスを実施するための要件を整理する。4章では、所在検索サービスで著作物を軽微利用する際の定量的な基準を紹介する。なお、法令は2025年2月時点のものである。


2 所在検索サービスの解説

2.1 概要

 所在検索サービスとはどのようなものか。著作権法47条の5第1項1号は、「電子計算機を用いて、検索により求める情報(以下この号において「検索情報」という。)が記録された著作物の題号又は著作者名、送信可能化された検索情報に係る送信元識別符号(自動公衆送信の送信元を識別するための文字、番号、記号その他の符号をいう。(中略))その他の検索情報の特定又は所在に関する情報を検索し、及びその結果を提供すること。」と定めている。

 所在検索サービスの例について、文化庁著作権課は、「利用者が入力したキーワードに関連する情報(検索情報)が掲載された書籍の題号や著作者名、検索情報が掲載されたウェブページのURLを検索し、その結果(書籍の題号や著作者名、ウェブページのURL)を提供するサービスが想定され、当該検索結果の提供に付随して、当該検索結果の確認の便宜のために書籍やウェブサイト中でキーワードが用いられている本文の一部分を提供する形で著作物を利用することが権利制限の対象となる。」と述べている[3] 。

 さらに、文化庁著作権課は、所在検索サービスに該当し得る例として、以下の3種類を挙げる[4] 。

① あるキーワードが含まれる書籍の情報を検索し、その結果を提供するサービスにおいて、結果提供とともに書籍の本文の一部分を提供する行為

② 利用者が、録音した音声に含まれる楽曲を検索し、その結果を提供するサービスにおいて、結果提供とともに楽曲の一部分を提供する行為

③ 自分の関心のあるキーワードが放送されたテレビやラジオ番組を検索し、その結果を提供するサービスにおいて、結果提供とともに番組の一部分を提供する行為

 そして、これら①②③の各行為について、検索結果の確認の便宜のために必要であるなど検索結果の提供に必要と認められるのであれば、サービスにおいて、入力したキーワードが含まれる本文や検索対象の楽曲音声・テレビ番組映像以外の情報、例えば、書籍の表紙(書影)や楽曲のCDジャケットなどの画像を検索結果の提供に付随して提供することも、著作権法47条の5により権利制限の対象になると解されている[5] 。

 他方で文化庁は、所在検索サービスに該当しない例として、「ある作家の著書リストを掲載し、リストの中で著書の書誌情報を提供するサービスにおいて、書誌情報とともに本文の一部分を掲載する行為」を挙げる[6] 。該当しない理由は、上記の①②③のサービスと異なり、ある作家の著書リストを掲載して当該著書の書誌情報を提供しているだけで、検索や情報解析などの電子計算機による情報処理を行っていないためである。

2.2 法の趣旨

 文化庁著作権課は、所在検索サービスに関する権利制限規定を設けた理由として、次の3点を挙げる[7] 。まず1点目として、所在検索サービスは、電子計算機による情報処理により新たな知見又は情報を提供する点において社会的意義が認められること。2点目として、所在検索サービスで行われる著作物の利用は、サービスの主目的である新たな知見又は情報の提供に付随して行われるものであり、著作物の利用を軽微な範囲にとどめれば、基本的に著作権者が当該著作物を通じて対価の獲得を期待している本来的な販売市場等に影響を与えず、ライセンス使用料に係る不利益についても、その度合いは小さなものに留まること。3点目として、多くの場合、電子計算機による情報処理の結果として得られる知見又は情報の質を高めようとすればするほど、膨大な著作物を利用することが必要となり、契約により対応することが現実的に困難となるためである。

2.3 実例(国立国会図書館デジタルコレクションの場合)

 読者がイメージを持ちやすいように、所在検索サービスの具体例を紹介しよう。例えば、国立国会図書館が運営する「国立国会図書館デジタルコレクション」[8] は、所在検索サービスの一例と考えられる(4.2(2)で後述する)。

 試しに、奈良県の石切場に関する発掘調査報告書の記載を確認したいと思い、同サービスの検索用語の欄に「石切場 奈良県」と入力して、タイトル欄に「報告書」と入力して検索してみる。その結果、本稿執筆時点(2025年2月時点)では、適合度順で一番上に『奈良県文化財調査報告 第43集』(奈良県教育委員会、1984年)が表示されるとともに、本文の中から、「石切場」と「奈良県」の文言を含む文章として、

・ 「34コマ[9] :遣跡と奈良時代ごろから後の遺跡とのほかは、穴虫石切場遺跡が古墳時代後期に属するとすれば、その頃の遺跡…および地図-(二上山麓の遺跡)を参照願いたい。奈良県高市郡明日香村平田所在、中尾山古墳環境整備委員会」、

・ 「29 コマ: 地域で、この時代の後期頃に、石棺材を切り出した石切場と思われる跡が検され、前述の松里園古墳群(二号墳…後岡本聖朝紫冠威奈鏡公之穴虫石製家形骨蔵器(処奈良県史跡名勝天然記念物調)」

 などと、該当箇所の前後の文章80字~100字程度が表示される(下記キャプチャ画面を参照。筆者のウェブブラウザの関係で、画面上に表示された字数は上記より少ないが、表示されたテキストをコピー&ペーストすると上記の文章が出力される)。


【図1】国立国会図書館デジタルコレクションの検索結果(一部)

 このように、所在検索サービスでは、検索した結果の表示に付随する形で、検索語の前後の文章や画像を表示することが可能となる。サービスの利用者は、その検索結果の文献等において、検索語がどのような文脈で出てくるかを確認することができる。


3. 所在検索サービスの要件、効果とその意義

3.1 要件

 それでは、所在検索サービスを構築するためには、どのような要件を満たす必要があるか。まず、著作権法47条の5第1項1号の要件と出所の明示に関する要件を整理すると、以下の1番から9番に分けることができる(一部の要件を簡略化して記載している)。



3.2 効果

 所在検索サービスの要件を満たした場合、著作権法47条の5第1項により、「いずれの方法によるかを問わず、利用することができる」。つまり、複製や公衆送信をはじめ、譲渡、上映、翻訳・翻案等の二次的著作物の創作、これにより創作された二次的著作物の利用等、支分権の対象となる行為は全て権利制限の対象となる [23](ここでの利用が軽微利用に限られる点は、上記3.1の5番の要件に記載の通り)。

 また、同条第2項により、所在検索サービスの準備のために必要な範囲で複製や公衆送信等をすることができる。例えば、書籍検索サービスにおいて、サービスの提供に付随して数行のスニペット表示を軽微利用として行う場合には、その準備のために書籍をスキャンして電子データ化し、検索用データベースを作成する行為や、同項に基づく検索サービスを提供する事業者に対して、別の事業者が検索用データベースを譲渡する行為等が可能になる[24] (政令で定める基準に従うことが必要になる[25] )。

3.3 所在検索サービスの意義(特にデジタルアーカイブの場合)

 以上で見てきたように、所在検索サービスの要件を満たせば、一定の範囲で、著作権者の許諾なく著作物の複製や公衆送信が可能になる。

 そのため、文化施設等が所蔵資料のデジタルアーカイブを構築する場面では、著作権者の許諾が得られていない著作物についても、所在検索サービスを構築するためであれば、一定の範囲でデジタル化を行うことが可能になっている [26](対象となるのが公表提供等著作物に限られている点や、著作権者に不当な不利益を与えてはならない点などには留意が必要である)。


4 軽微利用の範囲

4.1 軽微利用の解釈基準

 実務では、上記3.1で述べた要件のうち、特に5番の軽微利用の範囲が問題となる。どのくらいの文字数や画素数であれば、軽微利用と言えるのか。

 法律上は、利用に供される部分の占める割合、利用に供される部分の量、利用に供される際の表示の精度その他の要素に照らし、「軽微」なものに限るとされている。

 「割合」は、例えば楽曲であれば全体の演奏時間のうち何パーセントに当たる時間が利用されているか、「量」は、例えば小説であればどの程度の文字数が利用されているか、「表示の精度」は、例えば写真の画像データであればどの程度の画素数で利用されているか、「その他の要素」としては、例えば紙媒体での表示の大きさなどが想定されており、写真の紙面への掲載であれば何平方センチメートルの大きさで利用されているか、といったことがそれぞれ意味されている[27] 。

 なお、「軽微」に該当するか否かは、権利者に及び得る不利益が軽微なものに留まることを担保するため、専ら著作物の利用に係る外形的な要素に照らして判断されるべきものとされ、利用目的の公共性等の要素は考慮されない[28] 。そのため、例えば文化財関連の報告書を公表する場合のように、公共性のある利用であったとしても、そのことだけで直ちに、表示できる文章の割合や量が増えたり、画像の精細度が上がったりするわけではない。

4.2 軽微利用の数量的な基準を明示した例

 軽微利用の範囲を具体的な数字で示した例としては、以下の(1)から(5)の文献またはサービスが挙げられる[29] 。各文献またはサービスにおいては、軽微利用をめぐる様々な検討がなされているが、本稿では数量的な点を中心に紹介する(いずれも本稿筆者が圧縮して整理したものであり、詳しくは原典を確認されたい)。

(1) 書籍検索サービスに係るガイドラインに関する調査研究報告書

 公益社団法人著作権情報センター附属著作権研究所は、所在検索サービスのうち書籍検索サービスをテーマとして、2020年に「書籍検索サービスに係るガイドラインに関する調査研究報告書」を公表した。ここでの書籍検索サービスとは、書籍(紙媒体の印刷物。新聞、雑誌を含む)を機械可読なデジタルデータ化した上で、そのデータに基づき、利用者の検索に従って書籍についての情報を提供するシステムとされている[30] 。

 これを前提に、同報告書は、まずスニペットに関する量的基準として、以下の基準を示している。


 また、サムネイルの表示の精度については、以下の考え方を示している。


 なお、この調査研究の主査を務めた松田政行氏は、検索による軽微利用をする目的について、「検索した結果、そのスニペット表示で何を論じているかはわかるが、どう論じているかを示さないということに尽きる」と述べ、その理由として、どう論じているかを示せば、コンテンツを示したことになるからであると述べる [40]。

(2) 国立国会図書館デジタルコレクション

 上記2.3の実例の紹介で取り上げた国立国会図書館デジタルコレクションにおいては、平成30年(2018年)改正で著作権法47条の5が設けられたことをふまえて、2019年から本文検索機能の仕様が検討され、2021年1月から本文検索サービスが開始された[41] 。スニペットの表示の分量としては、「スニペット1件当たり検索キーワードを含む前後100文字までが表示される仕様」とされている [42]。

(3)著作権法第47条の5と新聞記事の利用についてQ&A

 日本新聞協会新聞著作権小委員会は、2021年に「著作権法第47条の5と新聞記事の利用についてQ&A」 [43]を公表した。同Q&Aは、新聞記事の文脈ではあるが、以下の基準を示している。

(4) LION BOLT法律書検索プラン

 株式会社サピエンスが2021年に公開した「LION BOLT法律書検索プラン」 [44]は、民間の法律書検索サービスである。同プランのユーザーは、法律書・雑誌の本文全文のキーワード検索を行うことができ、その結果として、書名や著者名、キーワードが記載されたページ数の情報と、それに付随してキーワードが記載された本文の一部が表示される。同サービスは、著作権法47条の5により実施が可能になったと明言されている[45] 。

 同プランは、軽微利用について以下の基準を示している [46]。

(5) RCGS Collection 

 立命館大学ゲーム研究センターの所蔵品を検索するためのオンライン閲覧目録「RCGSコレクション」では、2023年から、検索結果の表示画面においてゲームのパッケージ画像を表示しており、表示にあたって著作権法47条の5をふまえたと明言されている [47]。

 同コレクションは、軽微利用について以下の基準を示している。


 そのうえで、このような利用が著作権者の市場と衝突するものでない理由として、以下の各点が挙げられている[50] (考慮事項の欄は本稿筆者が追加した)。


4.3 若干の検討

 以上の紹介をふまえて、最後に軽微利用について若干の検討を試みる。例えば、文化財関連の報告書をデータベース化して所在検索サービスを構築する場合、軽微利用はどのような範囲で可能になるのか。

 4.2の(1)から(5)で挙げた先行例をふまえると、表示できるスニペット(文章)の量、スニペットの個数、サムネイル(画像)の精細度の3点について、差し当たり以下の点を指摘することができる(本稿は直接的には文化財関連の報告書を想定して論じているが、他の分野の資料にも応用できる部分はあるかと思われる)。

 まず、表示するスニペット(文章)の量については、(1)の調査報告が示す「3行を減じない」基準や、(4)のLION BOLTのサービスが示す「4行程度」の基準は、検索した利用者がスニペットの前後の文脈を判断するには有益と言えるだろう。また、(3)の日本新聞協会の「記事の5~10%程度」という定量化も、文化財の報告書1頁あたりの行数が30行程度であると想定すれば、その10%は3行程度となり、概ね同程度の基準と言える。ただ、文化財関連の報告書の場合、1頁あたりの行数や、1行あたりの文字数、さらにページの構成(写真や図表が挿入されているか等)は様々である。それらを類型的に処理するのであれば、(2)の国立国会図書館デジタルコレクションのように報告書をOCR化したうえで、例えば「100字まで」といった一定の字数制限を設けることになる。それでは、果たして100字程度で、利用者が求める情報を十分に特定できるのか。例えば、本稿2.3で述べた「石切場 奈良県」の検索例で示されたスニペットで十分に原典の文脈が把握できているか、文化財の専門家諸氏において確認されたい。

 次に、表示するスニペットの個数については、(1)の調査報告の「1頁につき1個」や「書籍全体で10箇所を上限」、さらに(4)のLION BOLTの「1ページにつき1スニペットまで」といった制限にも、利用者における頁全体の享受を防ぐという点で一定の理由はある。ただし、この個数制限をただ機械的に当てはめた場合、重要な行や、重要な頁の表示が漏れるおそれは否定できない。その対策としては、二つの方法が考えられる。一つ目は、スニペットの表示数に上限を設けつつも、ページごとの検索結果の個数を表示する方法である[51] 。利用者は、そのページにおける検索結果の多さから、自分の求める情報との関連性の高さをある程度まで推測することができる。二つ目は、スニペットの表示に優先順位をつける方法である。(4)のLION BOLTが重点的な解説の度合いをスコア化して、スコアの高いページを上位表示したように、一定のアルゴリズムを導入して検索用語と関連性の高いスニペットを優先的に表示することが考えられる。近年のAI技術の発展をふまえると、優先順位の精度も高まっていくだろう(本稿の対象外ではあるが、著作権法47条の5は所在検索サービスのほかに、情報解析サービスについても権利者の許諾なく複製や公衆送信を可能にしている[52] )。なお、これら二つの方法は相反するものではなく、両方を実装することもあり得る。

 サムネイル(画像)の精細度については、(1)の調査報告が述べるように、32,400画素はたしかに一つの参考にはなる[53] 。ただ、対象となる著作物が類型的にどのような画像なのかも考慮する必要がある。ひとくちに文化財の画像と言っても、例えば発掘調査報告書における石切場の写真の場合は、一見して似たような写真も多く、他の写真と区別するためにはより高い精細度も検討に値するだろう。他方で、美術品のように美的に見られる文化財の写真の場合は、鑑賞(著作物の表現の価値の享受)にならないように精細度を抑える必要がある。この点、(5)のRCGS Collectionのサービスでは、リストの一覧表示と、詳細情報の画面とで精細度を分けた上で、ゲームのパッケージ画像の特殊性(絵の密度の高さや、単独での販売が通常想定されていないこと等)をふまえた判断がなされている。このように、画像の特質をふまえた判断方法は、文化財の報告書内の画像について検討する上でも参考になるだろう。

 以上は取り急ぎの検討にすぎないが、文化財の研究機関をはじめとする様々な文化施設が所在検索サービスを導入するにあたり、本稿の議論が参考になれば幸いである。


【註】

[1]  文化庁ウェブサイト内「著作権法の一部を改正する法律(平成30年改正)について(解説)」31頁(https://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/hokaisei/h30_hokaisei/pdf/r1406693_11.pdf)(以下、同文献を「平成30年改正解説」と略す。なお本稿記載のURLの最終アクセス日は2025年3月10日。)

[2]  より正確には、平成21年(2009年)の著作権法改正で、インターネット情報検索サービスに関する権利制限規定は導入されていたが(当時の著作権法47条の6)、平成30年改正で当該規定は現在の著作権法47条の5に組み込まれた。

[3]  文化庁著作権課「デジタル化・ネットワーク化の進展に対応した柔軟な権利制限規定に関する基本的な考え方(著作権法第30条の4、第47条の4及び第47条の5関係)」20頁(2019年)(https://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/hokaisei/h30_hokaisei/pdf/r1406693_17.pdf)(以下、同文献を「基本的な考え方」と略す。)

[4]  基本的な考え方28頁

[5]  基本的な考え方28頁

[6]  基本的な考え方29頁

[7]  基本的な考え方19頁

[8]  https://dl.ndl.go.jp/

[9]  コマとは、見開き2ページで撮影したデジタル化資料の画像1枚分のことを指す。徳原直子「デジタル化資料のテキスト化・本文検索サービス及びAI(機械学習)を用いたサービス開発 ~「柔軟な権利制限規定」の実践例として~」情報の科学と技術72巻3号90頁(2022年)を参照。

[10]  結果の提供とあるが、自己利用を排除する趣旨ではないと解される。小泉直樹ほか編著『条解著作権法』552頁〔奥邨弘司〕(弘文堂、2023年。以下同文献を「条解」と略す)。

[11]  「公衆への提供」とは、著作物の有形的な利用、すなわち著作物の複製物を公衆に渡す行為を指し、「公衆への(…)提示」とは、著作物を無形的に利用して、公衆に著作物を見せたり聞かせたり受信させたりする行為を指す。松田政行編『著作権法コンメンタール別冊平成30年・令和2年改正解説』100頁〔澤田将史〕(勁草書房、2022年。以下同文献を「コンメ別冊」と略す)。

[12]  平成30年改正解説32頁。なお、ここで必要とは、必須であることや高い必要性ではなく、当該著作物の利用により検索結果・解析結果をより分かりやすく理解できるようになるなど、著作権法47条の5第1項1号の行為の質が高まるという程度の必要性で足りると解される。コンメ別冊103頁〔澤田将史〕、条解555頁〔奥邨弘司〕を参照。

[13]  基本的な考え方22頁

[14]  基本的な考え方23頁

[15]  基本的な考え方54頁

[16]  基本的な考え方24頁。なお、同文献52頁や平成30年改正解説33頁では、形式的には所在検索や情報解析等の結果とともに著作物が表示されるサービスであっても、その表示等が一般的に利用者の有している当該著作物の視聴等に関わる欲求を充足することになって、そのオリジナルの著作物の視聴等に係る市場に悪影響が及ぶような場合、いわば「コンテンツ提供サービス」と評されるような場合については、著作権法47条の5の権利制限の対象とならないとされている。ただし、これらの文献では、このケースが著作権法47条の5のどの要件を満たさないのかについては明示されていない。

[17]  詳しくは、基本的な考え方69頁以下を参照。

[18]  詳しくは、基本的な考え方70頁、73頁以下を参照。

[19]  詳しくは、基本的な考え方70頁を参照。

[20]  詳しくは、基本的な考え方74頁以下を参照。

[21]  詳しくは、基本的な考え方75頁を参照。

[22]  コンメ別冊121頁〔澤田将史〕を参照。

[23]  基本的な考え方54頁

[24]  基本的な考え方55頁

[25]  詳しくは、基本的な考え方71頁を参照。

[26]  上野達弘教授は、アーカイブについても著作権法47条の5の適用があり得るという文脈で、「たとえば古い映画フィルムを保管していると、それが劣化する前にデジタル化しなければならないのに権利処理が追いつかないという場合があります。そのようなときに、その映画の中に出てくる言葉を検索できるようにするためにデジタル化することができるのであれば、結果として、アーカイブのための複製も可能になるように思います。」と述べる。加戸守行ほか「平成30年改正著作権法施行に伴う柔軟な権利制限規定による著作物の利用拡大とこれからの課題(中)」NBL1144号40頁(2019年)

[27]  基本的な考え方23頁

[28]  基本的な考え方23頁

[29]  他の文献として、コンメ別冊106頁〔澤田将史〕は、「総合考慮ではあるものの」との留保を付しつつ、割合および量の影響が大きいと考えられる著作物については、50%を超える割合で利用している場合に、軽微性要件を満たす可能性は低いと述べる。

[30]  公益社団法人著作権情報センター附属著作権研究所「書籍検索サービスに係るガイドラインに関する調査研究」5頁(2020年。以下では本文献を「調査研究」と略す。)

[31]  調査研究27頁

[32]  調査研究34頁

[33]  調査研究34頁

[34]  調査研究27頁

[35]  調査研究34頁

[36]  調査研究35頁

[37]  調査研究48頁

[38]  調査研究49頁以下

[39]  調査研究53頁以下

[40]  松田政行「講演録 柔軟な権利制限規定によるパラダイムの転換・実務検討・書籍検索サービスの著作物の利用ガイドライン」コピライト718号23頁(2021年)

[41]  徳原・前掲91頁

[42]  徳原・前掲90頁。同文献では、100文字の具体的な根拠は明示されておらず、事前に実験サービスとして構築した「次世代デジタルライブラリー」と同様の仕様としたことのみが記載されている。

[43]  日本新聞協会新聞著作権小委員会「著作権法第47条の5と新聞記事の利用についてQ&A」(2021年)(https://www.pressnet.or.jp/statement/20220215.pdf

[44]  https://law-books.lionbolt.jp/

[45]  株式会社サピエンスウェブサイト「LION BOLT(ライオンボルト)法律書検索プランについて「著作権に関するQ&A」を公開しました」(https://sapiens-inc.jp/article/?id=256/)

[46]  株式会社サピエンス「弊社の法律書検索システムにおける著作物利用のポリシー(2025年3月10日改定)」(https://sapiens-inc.jp/wp-content/uploads/2025/03/copyright-policy_LION-BOLT_2025-0310.pdf

[47]  立命館大学ゲーム研究センター「RCGS Collectionにおけるパッケージ画像の表示精度についての方針」(https://collection.rcgs.jp/page/thumbpolicy)及び宮脇正晴「ゲーム資料の検索サービスの結果表示画面におけるパッケージ画像の提示 : 著作権法47条の5第1項の解釈例」パテント76巻10号14頁以下(2023年)(https://jpaa-patent.info/patent/viewPdf/4276)。

[48]  宮脇・前掲17頁

[49]  宮脇・前掲18頁

[50]  宮脇・前掲20頁

[51]  この点については、米国の大学図書館を中心とするデジタル資料リポジトリであるHathiTrustが参考になる。HathiTrustでは、著作権のある資料はスニペットを表示せず、検索語がどのページに何個含まれるかが表示される。HathiTrustについては差し当たり鈴木康平「電子化する図書館資料の利用に関する著作権の課題 : HathiTrust事件を参考に」日本知財学会誌13巻1号3頁(2016年)、生貝直人「デジタルアーカイブと法政策:統合ポータル、著作権、全文検索」大学図書館研究104巻15頁(2016年)を参照。HathiTrustについては鈴木康平氏(人間文化研究機構)から貴重なご教示を得た。

[52]  本稿では詳しく触れないが、情報解析サービスとして、例えば「書籍などに含まれる大量の情報の中から必要な要素を抽出し、一定の特徴や傾向などを見出すなどの解析を行い、その結果を提供するサービス」などが挙げられる。差し当たり、基本的な考え方21頁、30頁、31頁を参照。

[53]  ただし筆者は、上記(1)の調査報告が参照した「美術の著作物等の展示に伴う複製等に関する著作権法第47条ガイドライン」につき、資料の種類などを問わず一律に32,400画素としている点は議論の余地があると考えている。数藤雅彦「デジタルアーカイブを取り巻く法制度の現状と課題」コピライト744号28頁(2023年)を参照。


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キーワード日 : 著作権法 所在検索サービス 文化財 データベース
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総覧登録日 : 2025-03-28
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