静岡県東部の近代保養地の形成について
笹原 千賀子
明治政府は、欧化政策を進める中で、保養・療養思想の普及を図る。その過程で静岡県東部には保養地(リゾート)として、政府要人を中心とする別荘が建設された。これらは避寒・避暑・温泉・海水浴という保養地の種別全てを網羅するものである。現在でも、域内の都市化した市街地には、当時の歴史を語る建築や遺構が残ることから、近代保養地という視点で周辺の景観等とともに整理する事によって、全体を近代化遺産の一つとして評価することができる。