清洲城下町遺跡出土金属製品の分析- 平成20 年度清須市調査出土品の検討-
鈴木 恵介
近年、非鉄金属製品の研究は科学分析によって大きく進歩し、従来の肉眼による観察に比べれば格段に多くの情報が提供されるようになった。特に蛍光X 線分析やX 線画像解析は、材質や製作技法の判断において欠かせないものとなった。過去の調査で出土した遺物には、様々な理由からこれらの分析を行えなかったものがあり、再度分析を行なったところ新たな事実が判明する場合もある。今回は清須市教育委員会が平成20 年度に発掘調査を行い、未分析であった清洲城下町遺跡出土品について分析結果を報告し、合わせて実測を行なった遺物を紹介する。