「万国絵図屏風」の原図についてー1609年版 P.カエリウス世界地図の復元ー
The original of “Worldmap screen with twenty-eight cities of the World”ーRestoration of the wall map of the world,published by P.Kaerius in 1609
三好 唯義
( Miyoshi Tadayoshi )
数ある地図屏風の中でも、特に豪華絢爛で極めて多くの情報量を有する作品が「万国絵図屏風」(宮内庁三の丸尚蔵館所蔵)である。また、この作品はその原図となったヨーロッパ製世界地図が判明しており、東西文化交流を研究する上で重要な地位を占めている。原図究明の成果は、鴇田忠正が1974年に発表した論文を契機に、以後、日欧の研究者によって蓄積されていった。その結果、屏風の原図はP.カエリウスが1609年にアムステルダムで刊行したメルカトル図法による壁掛け世界地図であることが判明した。ただ現状ではその図自体が見つかっていないため、その改訂前図であるブラウ1606/07年版図の写真をもって、その参考図版とされていた。本報告では、まず原図究明の研究史を振り返り、次にいまだ世に出ていない1609年図を、その前後の地図資料を用いてコンピューター上で復元した。また、1609年図を中心に、関係する西洋製世界地図と日本人作地図屏風と初期洋風画の経緯図を掲載し、ヨーロッパ製壁地図の日本文化へ与えた影響力の大きさを再確認したい。
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2021-11-16
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