石造物の3D計測とデータ利用

本間 岳人 ( 立正大学文学部 )

3D Measurement and Data Utilization of Stone Structures

Honma Takehito ( Faculty of Letters, Rissho University )
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データ登録機関 : 奈良文化財研究所 - 奈良県
詳細ページ表示回数 : 541
本間岳人 2025 「石造物の3D計測とデータ利用」 『デジタル技術による文化財情報の記録と利活用』 XR・LiDAR・3D・デジタルアーカイブ・知的財産権 https://sitereports.nabunken.go.jp/online-library/report/64
 石造物の3D計測について、手法や留意点、データの特徴、そして資料化や研究における利活用を体系的に整理した。フォトグラメトリ3D計測は、簡易かつ効率的に精細なデータを取得できる手法である。石造物の形態や銘文の記録に極めて有効で、応用性も高い。SketchfabでのWeb公開、モバイルスキャン、3Dプリントなどの関連技術も含め、この手法は石造物の記録や研究を推進する画期的な技術として評価できる。しかし、データの有効活用には適切な処理と資料観察が不可欠である。豊富なデータが得られる反面、利用者の基礎知識や問題意識が問われる。これらを踏まえ、高品質で活用可能なデータを収集し、積極的に公開・共有を進めていく必要がある。
目次

はじめに

 2024年3月、『石造物の考古学とフォトグラメトリ』と題する拙著を上梓した(本間2024b)。考古学・文化財分野に3D計測が急速に広まりつつあるなか、立ち後れが目立つ石造物研究への技術導入を意図して、フォトグラメトリによる3Dデータの取得とその特徴を整理し、資料報告・研究段階での活用にいたる石造物研究に特化した体系的な提示を試みたものである。本稿では同書(第1章・第2章)の概要紹介を中心として、同書執筆後の若干の事例を加え、石造物の3D計測とデータ利用の取り組みを報告する。

 『デジタル技術による文化財情報の記録と利活用』誌上の各報告や、近年の文化庁の取り組み(文化庁2023)にも明らかなように、考古学・文化財分野では3D計測とデータ利用について、すでに数多くの取り組みと議論が蓄積されている。したがって拙著ならびに本稿には基礎的前提として理解される内容が多く含まれている。先行研究と議論を踏まえた、石造物研究における実践的な取り組みとして参照いただければ幸いである。

 なお本稿は「考古学・文化財のためのデータサイエンス・サロンonline♯58」(2024年6月29日)の同名報告をもとに文章化したものである(「おわりに」を除く)。この際のスライド画像のいくつかを本報告の挿図として用いるが、スライド全体はResearchMapに公開している(註1) 。また3D計測の具体例として本文中にSketchfabの共有URLを挿入している。あわせて参照いただきたい。


1.石造物研究の展開と記録

 石造物(歴史時代の信仰・祭祀・記念に関わる石製造形物)の研究は、これまで多様な視点から進められてきた。古くは銘文を対象とする金石文研究がおこなわれ、日本考古学が成立した大正から戦前期は考古学者が研究対象としたこともあった。戦後、研究の中心は「石造美術」の分野へと移行し、総合的な研究が進んだ。平成期以降は中・近世考古学の発展にともない、考古学、文献史の協同による石造物研究が活発化している。


図1_石造物の記録とフォトグラメトリ


 石造物の記録・資料化の方法として、写真・拓本・実測が長らく用いられてきた(図1-1)。考古学的立場からの優れた指南書(藤澤・狭川2016)があるものの、実際には研究の立脚点や個々人の嗜好・技術によって、採られる手法や精度にはおおきなバラツキがある。しかしながら、考古学による石造物研究の第一歩として、実測による形状の記録、拓本による銘文の記録、写真による客観的記録は必須であった。筆者自身も主に東国の中世石塔や近世墓所を対象に、20数年にわたって無数の実測図と拓本を作成し、写真撮影をおこなってきた。

 このような状況下、2010年代後半よりデジタル写真計測(SfM/MVS、フォトグラメトリ)による3D計測がおこなわれるようになるが、各種の考古資料・文化財のなかでも石造物は3D計測とくにフォトグラメトリとの相性がよい。それは、①屋外にある身近な存在で、②多様かつ複雑な造形をもち、③それなりの規模があり、④時に銘文を備え、そして⑤必ずしも実測等の調査が進んでいない、という資料的条件があるからである。筆者は研究資料取得手法の更新、すなわち従来の実測・拓本にかわるものとして3D計測を導入し、おおいに活用し、絶大な効果を実感している。手実測と拓本の意義や効果は認めるが、筆者自身がそれらを用いる機会はほぼ失われたといってよい。


2.石造物フォトグラメトリの方法

 筆者は2019年に3D計測を導入したが、その頃すでに多数の研究や検証がなされていた。とくに石造物のフォトグラメトリについては永見秀徳が早く方法を公開しており(永見2017)、多くを参考にしている。文献個々の提示は省略するが、そのほか多数の先行研究に学びつつ、実践によるトライ&エラーを重ねて筆者なりの方法を身につけた。以下、記録方法と記録内容について確認する。

2-1 機材

 参考までに筆者使用の機材を図1-2に示した。カメラ・照明・清掃用具などの現地用機材と、パソコン・アプリケーションなどの解析・編集用機材がある。網羅的に示したが、ソロ調査時は機動性を優先して、最低限の機材(カメラ・簡易照明・曲尺・清掃用具・自撮り棒などバックパックに入る一式と携帯しているiPhone・AppleWatch)を用いている。グループ調査の折にレフ板や遮光幕を加える。カメラは、画質や高感度ノイズ耐性、操作性の優れた手ブレ補正機能付きフルサイズ機と広角20mm単焦点レンズの組み合わせがメインだが、サブのスマートフォン搭載カメラで十分な場合も多い。石造物の所在環境は様々だが、ワーキングディスタンスが確保できないケースが多いため、広角レンズが有効である。

2-2 石造物フォトグラメトリの工程

 基本工程は、撮影、解析、編集、公開・共有の段階に整理できる(図1-3)。その他資料を対象とする場合とおおむね同じだが、所在状況からして、石造物は屋外撮影が基本となる。現地での仮解析を加える場合もあるが、筆者は効率を重視してこの作業はほとんどおこなっていない。

 また「部分モデル」(例:https://skfb.ly/oLOOL)か「フルモデル」(例:https://skfb.ly/oLOOP)のどちらを作成するかは、石造物の規模・形状・所在状況によって判断することになる(図1-4)。作成するモデルによって資料移動の有無、撮影回数もかわる。以下は部分モデルの撮影を中心として解説する。

 撮影1(事前準備・清掃) 所有者・管理者の許可をえて、可能な範囲で、撮影に影響のある苔や汚れ、草木を取り除き、部材の回転・ズレなどの物理的な補正もおこなう(図2-1)。石造物の多くは信仰対象であるから、くれぐれも敬虔な気持ちを欠かさないようにしたい。曲尺は石造物の近くに置き、解析・編集段階のスケール付与の基準とするため写し込ませる。フォトグラメトリで3Dモデルに水平情報を加える場合には、水準器を用いて曲尺を水平に設置するが、筆者はこの作業はおこなわずiPhoneLiDARスキャン(後述)で補足的に水平情報を記録することが多い。

 撮影2(基本) 石造物に限定されないが、フォトグラメトリの成否を決めるのは写真である(図2-2)。ブレ、ボケ、白飛びと黒つぶれがなく、80%以上の適度なオーバーラップのある画像が必要である。撮影時の設定はケースバイケースだが、手ブレせずにテンポよく撮影できること、撮影後の手間の少なさを重視している。そのため手持ち撮影で、一眼カメラの撮影モードはマニュアル、シャッタースピードは1/125以上、絞りはF5~11以上、露光量はISOオート(上限10,000)で調整する。記録形式はJPEGを基本とし、撮影環境に応じてRAWを選択する。

 撮影3(手順) 屋外に立つ石塔(塔高1.56mの中世宝篋印塔)の部分モデル作成例を確認する(図2-3)。まずは石塔全体を収めた引きのカットを一回りしつつ撮影する。次に接近し、カメラを上下にスライドさせつつ、もう一回りしながら撮影を続け、オーバーラップを確保した全体の画像を取得する。特徴の少ない相輪や宝珠の頂部、基礎のような直方体部材の角の部分(あるいは板碑の側縁部)などは、写真不足でアライメントに不備が生じやすいので注意したい。また軒下や部材の結合部も写りにくく、モデルの信頼度が低くなりがちなので、意識的な撮影が必要となる。いずれにしても撮影前に、資料の細部形態や足場などの状況をよく観察し、撮影の流れをシミュレーションしておきたい。撮影枚数は規模・構造によって異なるが石造物1つで百枚程度から数百枚におよび、時に千枚をこえることもある。


図2_撮影(1)


図3_撮影(2)とフォトグラメトリデモ動画


 撮影4(光と影) 屋外フォトグラメトリの撮影環境としては薄曇りの低コントラストの状態が最適である。天候は運に任せるしかないが、暗部や影対策としてLEDライトを用い、グループ調査の場合には遮光幕やレフ板を加えることもある(図2-4)。木漏れ日が揺れ動く劣悪な環境、あるいは日没後の光量が著しく不足する状況でも、画像に白飛びや黒つぶれがなければ(カメラ性能と設定によるが)、形状のメッシュは問題なく生成できることが多い(図2-4、図3-1)。狭い収蔵庫内では無線ストロボの天井バウンス撮影で計測することもある。

 撮影5(高所と狭所) 大型の石塔や磨崖仏などを計測する際の高所撮影はポールとスマートフォンを用いる(3-2)。おもに2パターンあり、伸長7.5mないし4mの大型ポールに一眼カメラを固定してカメラ用スマートフォンアプリで遠隔シャッターを切る方法と、伸長3mの自撮り棒にスマートフォン(iPhone)を固定しAppleWatchで遠隔シャッターを切る方法を併用している。ソロ調査時で対象物の高さが4m以下の場合(ほとんどの石造物がこれに含まれるが)には後者が便利で、写真品質的にも大きな不足はない。また一眼カメラでの撮影が困難な狭所もスマートフォンの超広角カメラ(必要に応じ自撮り棒と遠隔シャッター併用)による撮影が有効である。

 撮影6(平面物) 銘文や板碑の一面のみを計測するケースである(図3-3)。基本は変わらず、オーバーラップを確保しつつ、被写体に対して平行移動で撮影していくが、平行カットのみだとドーム状変形が発生することがあるため、何枚かの斜めカットを加える。銘文の細かさに応じて画角を調整する。解析は本体とは別工程で処理をおこなう。

 解析 MetashapeないしRealityCaptureを用いる。通常の処理とかわらないので省略するが、石造物を対象としたデモ動画をYouTubeに公開しているので、くわしくはそちらを参照いただきたい(図3-4・註2) 。Metashape Standard版ではアプリ内でスケールを設定できないため、CloudCompare用にPLYファイルを書き出す。

 編集 CloudCompareでスケールを付与する。石造物の場合は、ここで部材ごとに位置や傾きの補正も加える必要がある。その後、CloudCompareから平面・各側面・断面等のオルソ画像を書き出す。必要に応じて銘文や彫刻の可視化処理をおこなう。オルソ画像をInDesignやIllustrator上で展開図に割付けて報告用のデータを作成するが、オルソ画像そのもののコントラスト調整も忘れずにおこないたい。

 3Dモデルの公開・共有 MetashapeないしRealityCaptureで公開用の法線付軽量モデル(仲林2021)を作成し、Sketchfabにアップして公開する。印刷物やPDFファイル内に公開モデルのURLやQRコードを表示して共有する。


3.フォトグラメトリによる石造物研究の基礎資料

 以上によりきわめて豊富かつ多様な情報を取得できるが、その情報をどのように整理・提示して研究の基礎資料としたらよいのだろうか。筆者の経験を踏まえて、以下の6点に整理した(図4・5)。

 1 部材の位置補正を加えたオルソ画像(陰影図)

 2 同 カラーオルソ図

 3 3Dモデルのネット公開

 4 実測図(トレース図)

 5 銘文等の可視化処理画像

 6 フォトグラメトリのソース写真

3-1 部材の位置補正を加えたオルソ画像(陰影図)

 先ほどふれたようにCloudCompareから書き出したオルソ画像を元に、基礎資料としての展開図を提示する(図4-1)。ここで注意したいことがある。石造物(とくに石塔)は本来、部材を水平に組んだ状態で面を揃えて造立されている。しかし現状の多くの場合、それがズレたり傾いたりしている。したがって、資料化にあたって部材レベルで角度や向きを補正する必要がある。つまり、図41の左上に示したような現状のままのオルソ図は、文化財の現状記録としての意味はあるが、研究資料としては用をなさない。同図右下のように位置補正をして、本来の形状を示す必要がある。また次項と関連するが形態の表示を優先したいので、カラーではなく単色の陰影図を基本とする。


図4_フォトグラメトリによる石造物の基礎資料(1)


図5_フォトグラメトリによる石造物の基礎資料(2)


図6_石造物3D計測の報告例

3-2 カラーオルソ図

 提示できるオルソには陰影図のほかに、テクスチャ付き画像、メッシュ頂点に色情報をもつカラー画像などがあるが、色調についてはテクチャ画像よりもカラー画像の方が階調表現に優れていて、筆者は好んで用いている(図4-2)。ただし色は形状観察のノイズとなるので、資料報告では単色の陰影図を優先するのは前項で述べた通りである。カラー画像は紙面に余裕がある場合やPDFのデジタル資料の場合に補助的に加える程度である。陰影図のみで表現できない色や見た目の質感などは、次項でみる3Dモデルで補うことができる。

3-3 3Dモデルのネット公開

 2Dにダウングレードしたオルソ図でだけでなく、3Dの情報はやはり3Dの状態で共有したい。筆者は3Dモデル共有サイトSketchfab を積極的に利用している(図4-3)(https://sketchfab.com/sekizo)。Sketchfabへの公開によって、ネット接続環境にある大多数に対し、あらゆる角度からの資料観察を可能とし、色、質感、傾きなど陰影オルソに含まれない各種情報を示すことができる。解説欄に文章や画像を加えるとより効果的である(画像はimgurなどオンライン画像共有サイトにアップしたうえで、共有URLをSketchfab解説欄に記述する)。正直なところネットサービスの宿命として継続性に不安はあるが、規模・利便性の点でSketchfabが第一の選択肢になっている。無料アカウントでも十分に活用できる。

3-4 実測(トレース図)

 オルソを下図として線画化する(図4-4)。この際に、実物や3Dモデルを「観察」して、情報を取捨選択し,断面や復元情報なども加える。前述したオルソや3Dモデルは機械的な情報にすぎない。実測図の作成を通して、観察の結果を示すことになる。3D計測であっても「実測図」作成は石造物研究の第一歩であることは変わらない。当然ながら、適切に図化するためには、資料に関する基礎知識や調査経験、十分な観察が不可欠である。

3-5 銘文等の可視化画像

 必要に応じメッシュに処理を施して、不鮮明な銘文、拓本では表現できない彫刻を可視化・鮮明化する(図5-1)。その手法はいくつかあるが、石造物にはGigaMeshのMSII Filteringが石造物に有効である(詳細後述)。

3-6 フォトグラメトリのソース画像

 石造物に限定されないが、ソース画像をそのものの保存と共有が理想である(図5-2)。3Dモデル作成後、ソース画像は決して不要になるわけではない。ソース画像によって、3Dデータに対する第三者や後世の検証が可能となり、後の技術進展でより優れた情報が復元できるはずである。そもそも対象物をあらゆる角度から撮影している時点で、基礎情報として重要である。ただ日々データは増加する。冗長性を確保した保存・共有は大きな課題である。

3-7 石造物3D計測の報告例

 上記の1~5を踏まえた、資料報告の事例を示す(図6)。図版として、部材の位置補正を加えたオルソ画像(陰影図)の展開図、実測図、可視化処理画像を掲載し、QRコード・URLでSketchfabの3Dモデルを共有している。これらによって、石造物の形態、銘文、観察結果、色や質感、現状を余すことなく提示できる。


4.石造物フォトグラメトリの有効性

 次に具体例を示しながら石造物フォトグラメトリの有効性についてふれる。主に3点、非接触、簡易で効率的、情報量と応用性の高さに整理した。

4-1 非接触

 石造物には物理的に接触できない資料が少なくない。文化財保護上の制限であったり、展示ケースや保護柵内にある場合である。そうした場合でも、撮影さえできれば3D計測が可能である(図7-1)。例えば北海道函館市戸井の板碑(https://skfb.ly/oL9rG)は日本北端にある中世石塔の1つだが、展示ケース内にあって資料を取り出すことができない。許可を得てケースのガラス面にレンズを密着させて撮影し、部分モデルが作成できた。栃木県小山市満願寺の石幢(https://skfb.ly/o76XK)は狭小な覆い屋内に安置されており、正面以外は物理的に肉眼で観察することができない。側板のわずかな隙間からスマートフォンの超広角カメラで撮影した。物理的接触をともなう拓本の回避は資料保存上のメリットとなると同時に、調査の申請と許諾のハードルを下げ、調査機会と資料化を推進する。


図7_石造物フォトグラメトリの有効性(1)


4-2 簡易で効率に優れる

 技術を習得し、作業に慣れれば石造物1基あたりの撮影時間は10~20分程度以下ですみ、誰でも容易に客観性の高い3D情報を取得できる。手実測の個人差が著しいことと対照的である。また、写真さえ取得できればよいので、対象物の大きさ、形状の違いを問わない。したがって実測や拓本が難しい大きな資料や複雑な形状をもつ石造物ではより有効である。限られた時間で多数の調査が可能となり、結果的に資料観察にも多くの時間をさくことができる。これらについては大学の考古学実習を通しても実感している(図7-2)。

 かつては綿密な測量計画と相応の予算が必要であった特大規模の石造物ですら、個人による短時間の撮影で計測できる。地上高6.6m・平面規模26.5m×21.9mの巨大な近世大名墓(図7-3)(https://skfb.ly/opGyo)、高5.38mの日本最大の板碑(https://skfb.ly/os7WQ)、巨岩に刻まれた磨崖仏(https://skfb.ly/oMMw8)などである。一方、室町末期の一石五輪塔(図7-4)(https://skfb.ly/oLZEC)のような小型石造物もなんら問題ない。こちらは通常の考古遺物と同じく、室内で撮影ボックス、ターンテーブル、三脚を用いてフルモデルを作成した。3Dの展開図では、従来の実測図(一側面+断面で示される場合が多い)では表現できない、面ごとの微妙な歪みがあるのがよくわかる。

 3D計測は複雑・微細な造形の記録にも有効である(図8-1)。とくに主尊の像容(https://skfb.ly/oNXYv)や丸彫りの石仏(https://skfb.ly/oNXYO)のような、従来の手実測で客観的な記録が困難だった仏像のたぐいは、3D計測の普及によって新たな研究進展が期待できる。また、千葉県東金市の願成就寺五輪塔は筆者が手実測した最高難度の石造物で、3基分の実測・拓本に2日を要したが、フォトグラメトリによる再調査の現地作業はわずか1時間程度であった(https://skfb.ly/oMUT9)。こうした効率的で迅速な調査は、同一地点に多数が所在することの多い板碑群であったり、高い実測技術を有する六地蔵石幢(https://skfb.ly/oLOLZ)などの記録にも有効である(図8-3)。板碑群では部分モデルであれば、一括撮影で複数基を同時に処理でき、とても効率的に調査を進められた。本報告の趣旨から離れるが梵鐘など金工品調査でも活用している(図8-2)(https://skfb.ly/oKpup)。



図8_石造物フォトグラメトリの有効性(2)

4-3 情報量と応用性

 前章でふれたように3D計測によるデータは、立体形状・色調をはじめとする豊富な情報を有している。その情報量と応用性は従来の2次元実測図や拓本・写真の比ではない。バーチャル環境では、実物ではできない観察・検証・加工が可能で、デジタルゆえに劣化のないデータの複製・共有も容易である。

 一方でバーチャル環境のみでなく、物理的にもまた異なる有効利用ができる。3Dプリンターによる物理モデルの作成である。リアルな物体を肉眼で観察すると直感的な気づきが得られる。低廉な光学式3Dプリンタも市販されていて、若干の消耗品コストはかかるがプリントは容易である。筆者は、論文執筆時の資料観察、研究者間での物理モデル(例えば銘文のレプリカ)の共有、展示品などとして活用している(図8-4、ELEGOO社Saturnを使用)。プリントモデルは拓本を採ることもできるので、実資料への負荷を考慮することなく、拓本による銘文判読のシュミレーションを何度もおこなえる。またミニチュアサイズのプリントモデルは、調査後の礼状に添えたり、海外調査時の共同研究者へのノベルティとするなど、コミュニケーションツールとしても非常に有効である。


5.銘文可視化手法の検討

 拙著2章4節では、フォトグラメトリで取得した銘文3Dデータの可視化、彫刻の鮮明化の手法について検討した。その概要を紹介する。

5-1 可視化手法の各種

 考古資料3Dモデルの可視化・鮮明化の試みは以前より行われている。図91左が3Dモデルの可視化や鮮明化の処理手法の各種、同右の表が先行検討例を整理したものである。レーザースキャナによる3D計測導入の初期段階より、拓本にかわる銘文記録が意図されていたが、2010年代後半のフォトグラメトリ普及とともに様々な手法が開発・試行されてきた。このうち、PEAKIT、Radiance Scaling、MSII Filtering、Ambient Occlusionの各種について、従来の拓本や写真も加えて比較した。PEAKITは株式会社ラングに委託しておこない、それ以外はオープンソースアプリを利用している。この検討から2例を紹介する。


図9_3Dモデルによる銘文・彫刻の可視化

5-2 関戸笠塔婆 

 茨城県古河市に所在する特異な形状の石塔である(図9-2)(https://skfb.ly/oOIDR)。「関戸の宝塔」ともいう。従来、年号の判読に議論があったが、3D計測と可視化処理を加えて「仁安[四](1169)年」在銘、関東最古の中世石塔と判断できるにいたった。この判読にあたり各種の手法を検討した。本例は軟質の凝灰岩(大谷石)を用いており、石材の風化や欠損が顕著である。肉眼や拓本で判別しがたい陰刻そのものの表現がポイントである。

5-3 狩野探幽墓碑銘 

 東京都大田区池上本門寺に所在する絵師狩野探幽(16021674)の墓碑銘である(図9-3)(https://skfb.ly/oOIDR)。こちらは硬質の安山岩を用いた近世石造物である。刻まれた文字自体は微細ながらも肉眼で判読できる。したがって図版としての視認性、客観的な資料提示がポイントとなる。

5-4 可視化のまとめ

 上記2例の検討の結果、石造物において優れた有効性を認めたのはMSII Filteringである(図9-4)。MSII Filteringは楔形文字の記録と可視化を目的として開発され、オープンソースアプリGigaMeshの中核技術として機能する(https://gigamesh.eu/)。評価のポイントとしてまず視認性の高さがあげられる。加えて色調や処理の強弱、光線の変更による表現の多様さ、メッシュの円筒展開も容易で、GUIによる操作性も良好である。英語版のみだが公式チュートリアルも充実している。オープンソースアプリのため、無償利用できるのも大きな利点である。くわしくはYouTubeに公開した円筒展開とMSII Filtering処理のデモ動画を参照いただきたい(https://youtu.be/MvHurrflDDI?si=Q4YmA-L3RFfhiEQH)。

 ただ処理の負荷が高く、PC性能によっては相応の時間を要し、処理後のファイルサイズが倍増する点は注意したい。PC環境によっては動作が安定しない場合もあるが、筆者が利用するWindowsアプリはβ版なのでやむを得ない。


6.iPhone(iPad) LiDAR スキャン

 フォトグラメトリに加え、スマートフォン・タブレット搭載機能を用いたモバイルスキャンの活用が考古学・文化財の記録に広がりつつある(野口2023、高田2023)。筆者も石造物を対象として活用しているのでいくつかの事例を紹介する。使用端末はiPhone13Pro(現在は15Pro)、アプリはScaniverse、2022~2023年の計測例である。

6-1 石塔のスキャン

 まず品質・精度について同じ石塔をiPhoneLiDARとフォトグラメトリで計測して比較した。図10-1①がiPhoneLiDAR、Scaniverse Detailモード(https://skfb.ly/oXotD)、②がMetashapeの最高精度(https://skfb.ly/owETo)で作成したモデルである。テクスチャ付き画像では大差ないようにみえるが、陰影図ではiPhoneLiDARがあきらかに不鮮明で、相輪も不自然に太くなっている。このように精度は明らかに劣るが、iPhoneLiDARは簡易性、即時性、取り回しに優れている。加えて若干の誤差はあるが、フォトグラメトリに備わらないスケールと水平情報やGPS情報が入るのはとても有効で、Sketchfabに公開してAR表示させることも容易である。このような特徴を把握したうえで、フォトグラメトリを補うサブ計測としてiPhoneLiDARを用いている。

6-2 全体配置のスキャン

 次に近世墓石調査でのケースを示す(図10-2)。墓石個々はフォトグラメトリで計測し、墓域の全体はScaniverseのエリアモードでスキャンした。現地ではスキャン後のキャプチャ画像に墓石番号を書き入れてメモとして用い、整理・報告の段階でScaniverseからエクスポートしたOBJファイルをCloudCompareで編集し、オルソ画像を出力して利用した。この事例では0.69%の計測誤差があったが、平面配置図の大縮尺で使うにはなんら問題とならない。


図10_iPhoneLiDARスキャンの活用

6-3 石造物所在状況のメモとして

 切り立った岩峰上の狭い平場、足を踏み外したら確実に命はない、そんな過酷な場所に斯界に知られた中世石塔がある。長野県長和町の仏岩宝篋印塔である(図10-3)。前例と似たようなパターンだが、保護柵内にある宝篋印塔はフォトグラメトリ(https://skfb.ly/oF76O)で、平場は自撮り棒とiPhoneLiDARで記録した(https://skfb.ly/oF7n9)。

 この他にも千葉県龍腹寺板碑群の収蔵状況、調査の進捗に関するメモとして、調査日ごとに収蔵庫をスキャン記録する試みもおこなっている(図10-4)。本例は板碑群出土後の情報が限られるだけに、収蔵状況に当初の出土状況や過去の資料整理における何らかの意味が含まれる可能性も視野に入れて記録したものである。


7.最近の取り組みから

 以上、『石造物の考古学とフォトグラメトリ』の1・2章で述べた内容の一部を雑駁に紹介したが、同書執筆後に取り組んだいくつかの具体例にふれたい。

7-1 3Dデータの適切な処理と「観察」の重要性

 群馬県藤岡市浄法寺に古式の石塔があり、フォトグラメトリ計測を利用した最近の研究で「8世紀後半」という年代が提示された。(図11-1)(亀田・文挟2022)。この年代提示とともに、3D計測を活用した意欲的な研究として石造物研究分野でも注目された。筆者はこの研究の妥当性について検討し、3Dデータ利用上の問題点を指摘した(本間2024a)。その要点は2つ。対象となる石塔は現状で傾いているが、傾斜状態のオルソ画像をそのままトレースして、それを基準に復元図を作成している点。また復元図の作成において、石塔に認められる著しい風化や欠損が考慮されていない点である。つまり、適切とは思われない3Dデータ処理と資料観察の不足である。筆者は自身の計測データによって部材レベルで細かい再検討をおこなった(図11-2)。具体的には部材の水平をCloudCompareで補正して各面の展開図を作成、そのうえで欠損・風化・残存部の微細な検討を加え、個々の根拠を示しつつ当初形状を復元した。その結果、先行研究で年代判定の根拠とされた「直線的な軒の形状」は復元できないと判断した。またこの検討の客観的資料として、当該部材のオリジナルサイズに近いハイポリデータをSketchfabにダウンロード可の設定で公開した(図11-3)(https://skfb.ly/oS8NK)。高精度3Dデータを共有することで、第三者が3Dで検証できることを意図した。


図11_浄法寺層塔の検討


 本稿3でも述べたことの繰り返しとなるが、この例を通して石造物研究における資料観察と図化の重要性が改めて認識できる。それらはアナログ実測でも3D計測でも不変である(図11-4)。生の3Dデータやオルソは研究資料として不十分であり、調査者は部材の位置補正、観察による劣化・破損部位の差別化までをおこなう必要がある、という注意(藤澤・狭川2016)を再確認しておきたい。

7-2  3Dによる銘文記録と判読の有効性

 次に本稿の5でふれた銘文の記録と判読についての補足事例を紹介する。神奈川県箱根町の箱根山に所在する永仁4(1296)年在銘の宝篋印塔(https://skfb.ly/oMMII)は、石造物研究のみならず中世史研究の分野でも非常に知られている(図12-1)。石塔は国重要文化財、所在地は国史跡に指定されている。しかし基礎3面に刻まれた銘文のうち、メインの北西面は顕著な風化や、良好な拓本資料の欠もあって十分に判読できていなかった。文化財保護上、新たな拓本も採れず、客観的資料の不足に起因して、先行研究も個別主観的な判読に留まってしまううらみもあった。

 そうした中で、非接触のフォトグラメトリによって3Dモデルを作成し、可視化画像で検討をおこなった(本間2024b)。銘文の陰影が鮮明になると(図12-2)、古文書のように検討できる。もちろん筆者が古文書を読めるわけでなく、このデータにもとづいて古文書の判読に長じた中世史研究者の協力をあおぐことで、従来とは異なるレベルでの検討が可能となる。詳細は本稿の趣旨から離れるので省略するが、石造物研究ならびに中世史研究において重要な成果が得られた。こちらもハイポリデータの3Dモデル共有をおこなっている(https://skfb.ly/oQLpZ)。

 従来、銘文の記録や判読は拓本や写真が基礎資料であったが、可視化処理を施した3D記録はそれらに比して鮮明であり、画像の濃淡によって、彫刻の奥行き、下書き筆致の強弱、字画の切り合いも観察できる。積極的に既知の重要資料や未読銘文の3Dによる再検討を進めていきたい。


図12_箱根山宝篋印塔の銘文判読と近代石碑の記録保存

7-3 3Dによる近代石碑の記録保存

 品川神社(東京都品川区)門前に初代荏原郡長をつとめた林交周の顕彰碑が立つ。明治29(1896)年に建立された碑高4m、総高5mを超える区内屈指の近代石碑で、旧荏原郡域の近代史に関わる貴重な物質資料といえるが、文化財としての保護対象とはなっていない。安全保障上の問題からやむなく撤去されることになり、品川区教育委員会からの緊急依頼により2024年2月にフォトグラメトリで本碑の記録保存をおこなった(図12-3)。

 計測・解析は考古学実習でフォトグラメトリの基礎を学んだ立正大学考古学研究会の学生が担当した。作業はカメラ+ポール保持、タブレットによる遠隔シャッター、レフ板持ちをそれぞれ分担した。立体形状の詳細のほか、正面の主銘文、背面寄進者銘を記録したが、とくに背面寄進者銘の記録は本調査が初で、微細な刻字ながら3Dモデルで十分に判読できる成果が得られた(図12-4)(https://skfb.ly/oTHxJ)。

 調査成果は、研究会機関誌『立正考古』誌上の報告(本間・星他2024)の他に、品川区立品川歴史館コーナー展示「3Dで調査・記録する従六位林交周之碑」として一般にも公表した(展示期間:2024年9月~2025年3月)。展示は解説パネル、3Dプリントモデル、大判印刷による銘文バナーで構成し、調査の方法と意義、石碑の歴史的意味を紹介した(図131)。また解説パネルにはSketchfabに公開した3DモデルのQRコードを添えるとともに、見学者のモバイル端末で閲覧できるAR機能も紹介して、実体(プリントモデル)、大判出力オルソ図、バーチャル(AR)をミックスした臨場感・実体感の体験を意図した。


図13_フォトグラメトリから展開する諸活動(展示と3Dプリント)


 2024年5月の日本考古学協会総会のセッションで「墓じまい」の問題が取りあげられ、失われる墓石の記録保存も議論となった。墓石同様に失われる石碑への対応も必要である。とくに近代石碑は文化財としても考古学の対象としても調査・研究が著しく遅れている。また人為的な撤去だけでなく、不慮の自然災害による石造物の損壊・消失に対応するためにも、3D計測・フォトグラメトリによる記録保存はきわめて有効である。


8.まとめ

 石造物の3D計測とデータ利用について述べてきた。散漫な内容となったが、その有効性と留意点を簡単に整理してまとめとする。

 フォトグラメトリ3D計測は、石造物の形態・銘文の記録手法としてきわめて有効である。簡易・効率的に、精細で応用性の高いデータが取得できる。新たな石造物研究を推進する画期的な技術として高く評価できる。

 しかし、適切なデータ処理と資料観察なくしては、取得したデータを有効活用することはできない。取得できるデータが豊富であるがゆえに、利用者の基礎知識や問題意識が問われる。この点において、『石造物の考古学とフォトグラメトリ』や本稿の内容も個人的な試行・経験にとどまるものであり、3Dデータを十分に活用できているとはいえない。そもそも個人的な能力や関心に限界があり、全方向への有効活用は現実的ではない。

 重要なのは、いかに客観性が高く活用可能なデータを収集し、第三者が広く利用できるようにするかという点である。今後の幅広い活用を視野に入れて、有効なデータの収集・保存・公開(共有)を進める必要がある。

 拙著および本稿は石造物を対象としたものだが、考古学・文化財一般における3D計測に共通するところも多い。石造物分野の周回遅れといった観も否めないが、石造物ならではの利用状況があり、一方で認識される課題は共通しているように思われる。考古学・文化財分野の進展を参考にしながら、石造物3D計測の方法論もブラッシュアップさせていきたい。


おわりに 

 7-2に触れた立正大学考古学研究会では、備品の3Dプリンターを活用しているようである(図13-2)。上述した石碑のプリントモデル作成のほかにも、学園祭(2024年11月)では学生らが入手した3Dモデルを自身でプリントし、中古のガチャガチャ本体と組み合わせて自作のカプセルトイとして展示・販売して、たいへん好評であったという。さすがに石造物は地味であるので、土器や土偶がメインだったが「佐渡式宝篋印塔」という超マニア向けの石塔がラインナップされていた(ちなみにシークレットは図7-2参照)。

 石造物に関心にある学生は必ずしも多くないが、3D計測や3Dプリントといった新しい技術への関心は高い。3D計測に加え、データ整理・報告・公開・展示という利活用の段階も含めて、実資料でイロハを気軽に学べるのは、身近な文化財である石造物ならではの利点だと考えられる。そしてガチャガチャのような「遊び」は当事者はもちろん、第三者を巻き込んで、新たな関心の広がりにつながることであろう。


参考文献

亀田浩子・文挟健太郎2022「群馬県藤岡市浄土院浄法寺(緑野寺)聖徳太子供養塔の基礎的研究」『日本考古学』55 日本考古学協会

高田祐一2023「スマホLiDARによる文化財調査ワークフロー確立に向けた基礎整理」『デジタル技術による文化財情報の記録と利活用』5 (奈良文化財研究所研究報告37)

仲林篤史2021「公開を目的とした3Dモデルのデータ量削減方法」『デジタル技術による文化財情報の記録と利活用』3(奈良文化財研究報告27)

野口淳2023「建造物や石碑はいつかは朽ちる...3次元データで未来に残す 考古学/文化財への応用」『Interface』2023年1月号

藤澤典彦・狭川真一2016『石塔調査のコツとツボ 図説 採る 撮る 測るの三種の実技』高志書院

文化庁2023『月刊文化財』718号(発掘調査の新技術) 第一法規株式会社

永見秀徳2017「石造文化財の三次元計測における作業フロー」『文化財の壺』5 岩田書院

本間岳人2024a「群馬県浄法寺層塔の造立年代」『考古学論究』23 立正大学考古学会

https://researchmap.jp/multidatabases/multidatabase_contents/detail/674163/0883fabfb0dbd51d0034ac9801678201?frame_id=1264246 

本間岳人2024b『石造物の考古学とフォトグラメトリ』(立正大学文学部学術叢書9) 角川文化振興財団

本間岳人2024c「箱根山宝篋印塔銘文の再検討」『日本考古学の論点』(下) 雄山閣

本間岳人・星勝也ほか2024「品川神社所在「従六位林交周之碑」調査報告」『立正考古』59 立正大学考古学研究会

https://researchmap.jp/multidatabases/multidatabase_contents/detail/674163/c2d883714c0bd5f894c5d33fd760225e?frame_id=1264246 

その他の多数の文献を参照した。詳細は本間2024bを参照いただきたい。


 1. 「考古学・文化財のためのデータサイエンス・サロンonline♯58」スライド資料https://researchmap.jp/multidatabases/multidatabase_contents/detail/674163/49d977481b58cc0776e8d83f3e670672?frame_id=1264246

 2.石造物フォトグラメトリデモ動画

 https://www.youtube.com/watch?v=B6rs3OL_9vo&list=PLOc4jYbn6NBPtRlLXW2lS0VlygHkZ2n3x

【01】Metashapeによる石造物3Dモデルの作成

【02】3DモデルのSketchfab公開

【03】Metashapeによるフルモデルの作成

【04】RealityCaptureによる3Dモデルの作成

【05】CloudCompareによる3Dモデルの編集・オルソ画像書出

【06】MeshLabによる銘文の可視化と判読

【07】GigaMesh 円筒展開とMSII Filtering

QRコードはデンソーウェーブ社の登録商標である。


謝辞

 拙著(2024b)ならびに本報告に取りあげた3D計測事例には、科学研究費基盤研究(A)16H01947「石造物研究による中世日本文化・技術形成過程の再検討東アジア交流史の視点から」の成果を含んでいる。共同調査において研究代表者の市村高男氏をはじめ多くの方々のご協力・ご教示をいただいた。また立正大学考古学研究会の学生諸氏には筆者の求めに応えて、確実な成果を出してもらっている。考古学・文化財のためのデータサイエンス・サロンについては野口淳氏、本報告については高田祐一氏より貴重な機会をいただいた。あわせて感謝申し上げる。

引用-システム内 :
引用-システム外 :
Cultural data online report map :
本間岳人「石造物の3D計測とデータ利用」『デジタル技術による文化財情報の記録と利活用7』 - 図1_石造物の記録とフォトグラメトリ
本間岳人「石造物の3D計測とデータ利用」『デジタル技術による文化財情報の記録と利活用7』 - 図2_撮影(1)
本間岳人「石造物の3D計測とデータ利用」『デジタル技術による文化財情報の記録と利活用7』 - 図3_撮影(2)とフォトグラメトリデモ動画
本間岳人「石造物の3D計測とデータ利用」『デジタル技術による文化財情報の記録と利活用7』 - 図4_フォトグラメトリによる石造物の基礎資料(1)
本間岳人「石造物の3D計測とデータ利用」『デジタル技術による文化財情報の記録と利活用7』 - 図5_フォトグラメトリによる石造物の基礎資料(2)
本間岳人「石造物の3D計測とデータ利用」『デジタル技術による文化財情報の記録と利活用7』 - 図6_石造物3D計測の報告例
本間岳人「石造物の3D計測とデータ利用」『デジタル技術による文化財情報の記録と利活用7』 - 図7_石造物フォトグラメトリの有効性(1)
本間岳人「石造物の3D計測とデータ利用」『デジタル技術による文化財情報の記録と利活用7』 - 図8_石造物フォトグラメトリの有効性(2)
本間岳人「石造物の3D計測とデータ利用」『デジタル技術による文化財情報の記録と利活用7』 - 図9_3Dモデルによる銘文・彫刻の可視化
本間岳人「石造物の3D計測とデータ利用」『デジタル技術による文化財情報の記録と利活用7』 - 図10_iPhoneLiDARスキャンの活用
本間岳人「石造物の3D計測とデータ利用」『デジタル技術による文化財情報の記録と利活用7』 - 図11_浄法寺層塔の検討
本間岳人「石造物の3D計測とデータ利用」『デジタル技術による文化財情報の記録と利活用7』 - 図12_箱根山宝篋印塔の銘文判読と近代石碑の記録保存
本間岳人「石造物の3D計測とデータ利用」『デジタル技術による文化財情報の記録と利活用7』 - 図13_フォトグラメトリから展開する諸活動(展示と3Dプリント)
NAID :
都道府県 :
時代 :
文化財種別 :
史跡・遺跡種別 :
遺物(材質分類) :
学問種別 : 考古学
テーマ : 活用手法 調査技術
キーワード日 : 3D 石造物 フォトグラメトリ モバイルスキャン 可視化 3Dプリント
キーワード英 : 3D Stone Structures Photogrammetry Mobile Scan Visualization 3D Printing
データ権利者 : 本間 岳人
データ権利区分 : クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
この 作品 は クリエイティブ・コモンズ 表示 4.0 国際 ライセンスの下に提供されています。
総覧登録日 : 2025-02-07
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