嘉納治五郎と東灘
道谷 卓
来年(二〇一九年)のNHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」は、日本がはじめてオリンピックに参加した一九一二年のストックホルム大会から、一九六四年の東京大会開催までの五二年間を描く作品だ。その中でドラマ前半の主人公・金栗四三かなくりしそうの恩師として役所広司さんが演ずる人物が嘉納治五郎である。嘉納治五郎は、講道館柔道の創設者であり、「柔道の父」とも言われ、柔道を志す者であれば世界のどこに行っても通用する日本人と言っても過言でない。また、日本のオリンピック初参加に尽力し、近代日本のスポーツの礎を築いた人物として「日本の体育の父」とも呼ばれている。
この嘉納治五郎が、東灘区御影の出身で、この地域の近代教育の基礎を築いたことを知る人はそれほど多くない。そこで、本稿で、嘉納治五郎の生涯と東灘とのつながりを、特に教育の点を中心に述べてみたいと思う。
この嘉納治五郎が、東灘区御影の出身で、この地域の近代教育の基礎を築いたことを知る人はそれほど多くない。そこで、本稿で、嘉納治五郎の生涯と東灘とのつながりを、特に教育の点を中心に述べてみたいと思う。