小野原遺跡群出土の土器
弘中 正芳
( HIRONAKA Masayoshi )
小野原遺跡群の竪穴住居跡から良好な状態で出土した弥生時代後期の土器群を対象として分類、器種構成、型式的変遷から複数の段階を設定し、各段階における特徴を考察した。狩尾遺跡群の弥生時代後期の土器編年と対照し、狩尾遺跡群の第Ⅰ期から第Ⅳ期の前半段階までの時期にあたるとした。小野原遺跡群では、中期的な土器から後期的な土器へと移行し終わった2段階から3段階、精製土器とくに供膳に関する器種に変化がみられる3段階から4段階へと変わる時期に画期がある。4段階で免田式土器や安国寺式土器が出現することは、球磨川地域や東九州との交流を示唆しており、精製器種の変化の背景に他地域からの影響が考えられる。