下扇原遺跡出土の植物遺存体
宮崎 敬士
( MIYAZAKI Takashi )
下扇原遺跡は、集落のほぼ全体を発掘した。この発掘調査では植物遺存体を64基の遺構から検出し、整理及び分析を行った。その結果、(1)植物遺存体は、火処に多く残存する。下扇原遺跡例では 住居使用時には炉 、住居廃絶時には祭祀行為が該当する(2)堅果類は、その殻破片が火処において燃料として焼却されている可能性が高い(3)炭化米は1 房以下の稲が偶さか受熱した結果である可能性が高い(4)火処以外の箇所での検出例の少なさは、当該遺構における火の管理精度が高いことを示している、と整理した。