後期清須城本丸考 臼杵市立臼杵図書館所蔵絵図を中心に
鈴木 正貴
大分県臼杵市立臼杵図書館は、旧臼杵藩主稲葉家が伝えた大量の絵図群を所蔵しており、その中に清須城に関する絵図が2点含まれている。本稿ではこの絵図を紹介し、そこに描かれた情報から後期清須城中枢部の構造について考察する。これまで、知られていた名古屋市蓬左文庫所蔵絵図2点が示す内容とは異なる情報を持っていることが明らかになり、従来は連郭式城郭として位置づけられてきた清須城の城郭構造が、そうではない可能性を考えられた。