小牧山城とその城下町の土師器
鈴木 正貴
尾張国を掌握した織田信長は、天下統一を成し遂げるために拠点を清須から小牧、岐阜、安土へと移動した。これらの移転は城下町建設を伴うことが明らかになってきたが、本稿ではその移動の実像の一端を、小牧山城関連の発掘調査で出土した土師器を通して検討した。その結果、土師器生産者は清須から小牧へ移動した可能性が高いが、小牧から岐阜には移動せず一部を除き再び清須に移転したことが推測された。そのあり方は信長の動きとは連動しないことが判明した。