東海地域縄文時代後晩期のベンケイガイ製貝輪
川添 和暁
東海地域、縄文時代後晩期のベンケイガイ製貝輪について、「加工の状態および程度」・「計測」・「形態」の諸属性について総合的な分析を行った。その結果、「腕輪」としての主たる機能・用途のみでは説明しきれない事象をいくつか提示し、その意義付けを若干行うことができた。II期前半(後期中葉~後葉)・II期後半(晩期初頭~前葉)・III期(晩期中葉~晩期末)と時期が変遷するにしたがい、加工・法量・形態に幅が見られるようになった一方で、ある特定の志向に基づく貝輪製作も垣間見られた。