新出の毘慮遮那仏変相図についてー高麗末期華厳教仏画の一様相ー
Newly Discovered Avalokiteśvara’ lmage,color on silkーOne Aspect of the kegon(“Flower Ornament”)Images,late Koryo dynasty-
川野 憲一
( Kawano Norikazu )
毘盧遮那仏変相図とも称すべき類例のない図様を持つ高麗後期の大幅(縦196.0cm×横133.5cm)を紹介した一論。画面中央区画に描かれた群像を、朝鮮華厳教の教主・毘盧遮那仏の法会に集った諸衆(上部から、四飛天、八部衆、十大弟子、文殊普賢十四菩薩、四天王、梵釈)と推定し、周囲の小仏を毘盧遮那仏から生まれゆく無数の世界と解釈した。また、高麗仏画における坐像尊像の服制についても一考を加え、それが寧波仏画などの中国南部地域だけでなく、北方・西域のものとも深く関連すること、南部地域の服制をスタンダードとする日本の中世仏画とは断絶していることを指摘した。制作年代については、迫真的な朱隈の使用、深みのない金泥の発色などから14世紀半ば以降の高麗後期と推定した。最後に今後の美術史研究において、中世着色仏画(日本製・海外製双方)をめぐるコンテクストの掘り起こしが急務であることを指摘して稿を閉じた。
NAID :
都道府県 :
時代
文化財種別
史跡・遺跡種別
遺物(材質分類)
学問種別
テーマ
他の電子リソース :
総覧登録日 :
2021-11-15
wikipedia 出典テンプレート :
{{Citation ... 開く