縄文時代草創期から前期前葉にかけての青森県出土の磨製石斧について
Polished Stone Axes Excavated from Aomori Prefecture from the Incipient to the Beginning of the Early Jomon Period
髙橋 哲
( TAKAHASHI Akira )
この小論では、青森県における草創期から前期前葉にかけて出土した磨製石斧の製作技法等を分析し、当該期の地域性や文化系統等について論及する。
これまで、縄文時代前期・中期(髙橋2021)、後期後葉から晩期(髙橋2016)における青森県を中心とした北東北の磨製石斧について、製作技法を中心に論じた。磨製石斧からみると、円筒土器文化は、大きく太平洋側(主に三八上北地域)と日本海側(下北地域・青森平野・津軽地域)とで流通が異なり、これが地域性を派生させる要因の一つと推定した。ただ、本稿で取り扱う時期は、太平洋側に遺跡が偏在しており、円筒土器文化期の流通とは異なることが想定される。
ここでは、円筒土器文化の流通がどのように発生したかを視野にいれながら、草創期から前期前葉にかけての磨製石斧の製作技法と地域性等を明らかにする。そして、これまで土器を中心に論じられてきた縄文文化の系統論を、磨製石斧の流通を通して考察する。主に青森県の資料を中心に論じるが、岩手県、秋田県や北海道は参考として用いる。なお、青森県の磨製石斧の研究に関する学史の検討は行わないが、この小論を作成するにあたり、齋藤(2003、008、2012、2016ab)の一連の磨製石斧関連論文を参考とした。
これまで、縄文時代前期・中期(髙橋2021)、後期後葉から晩期(髙橋2016)における青森県を中心とした北東北の磨製石斧について、製作技法を中心に論じた。磨製石斧からみると、円筒土器文化は、大きく太平洋側(主に三八上北地域)と日本海側(下北地域・青森平野・津軽地域)とで流通が異なり、これが地域性を派生させる要因の一つと推定した。ただ、本稿で取り扱う時期は、太平洋側に遺跡が偏在しており、円筒土器文化期の流通とは異なることが想定される。
ここでは、円筒土器文化の流通がどのように発生したかを視野にいれながら、草創期から前期前葉にかけての磨製石斧の製作技法と地域性等を明らかにする。そして、これまで土器を中心に論じられてきた縄文文化の系統論を、磨製石斧の流通を通して考察する。主に青森県の資料を中心に論じるが、岩手県、秋田県や北海道は参考として用いる。なお、青森県の磨製石斧の研究に関する学史の検討は行わないが、この小論を作成するにあたり、齋藤(2003、008、2012、2016ab)の一連の磨製石斧関連論文を参考とした。
髙橋 哲 2025「縄文時代草創期から前期前葉にかけての青森県出土の磨製石斧について」 『研究紀要』
https://sitereports.nabunken.go.jp/ja/article/127665