あがた駅南遺跡出土の黒曜石資料の産地推定
The source analysis of obsidians from Agata-eki-minami Site, Ashikaga City, Tochigi Prefecture.
菅頭 明日香
( KANTO Asuka )
大工原 豊
( DAIKUHARA Yutaka )
建石 徹
( TATEISHI Toru )
江原 英
( EHARA Ei )
芹澤 清八
( SERIZAWA Seihachi )
縄文時代後・晩期の集落遺跡である足利市あがた駅南遺跡から出土した黒曜石資料について、蛍光X線分析を行い産地を推定した。その結果、ほとんどが長野県星ヶ塔産と小深沢産の黒曜石であり、特に星ヶ塔産が非常に多いことが明らかとなった。また、後期後葉を主体とするB区、晩期前葉を主体とするC区・D区・E区、晩期中葉を主体とするA区の産地比率の違いを調べたところ、晩期になると小深沢産のものがやや増加する傾向があることが分かった。しかし、栃木県南部で多く出土する那須高原山産の黒曜石は、後期後葉を除き非常に少ない結果であった。そこで、周辺の群馬県東部と埼玉県域のほぼ同時期の黒曜石の産地比率と比較したところ、両地域の折衷的な様相を呈しており、本遺跡と栃木県南部との間には、黒曜石流通の境界が存在していたことが判明した。
菅頭明日香,大工原豊,建石徹,江原英,芹澤清八 2025「あがた駅南遺跡出土の黒曜石資料の産地推定」 『研究紀要』
https://sitereports.nabunken.go.jp/ja/article/126184
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