彦根城石垣の岩石記載と石材産地
先山 徹
( SAKIYAMA Toru )
彦根城跡天守台、天秤櫓下部、鐘の丸、天秤櫓の入り口、出曲輪、大手門、表門の7か所に対して、肉眼観察と帯磁率分析を併用して石垣石材を検討したところ、流紋岩質凝灰岩、花崗斑岩、デイサイト質凝灰岩の組み合わせを主体としていることがわかった。これは安土城跡でみられる石垣石材と類似する。安土城の石垣が彦根城の石垣として転用されたという従来の説を補強するには至らないまでも、安土城築城時に採取された岩石と原産地が同じだとはいえる。これらの岩石は彦根市と、沖島を含む近江八幡市に分布するので、露頭調査によってどの露頭から採取されたものかを明らかにすることが必要である。
先山徹 2010「彦根城石垣の岩石記載と石材産地」 『特別史跡彦根城跡石垣総合調査報告書』彦根市文化財調査報告書
https://sitereports.nabunken.go.jp/ja/article/119608
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