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沖縄県の戦争遺跡

URL https://sitereports.nabunken.go.jp/15487
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DOI http://doi.org/10.24484/sitereports.15487
引用表記 沖縄県立埋蔵文化財センター 2015 『沖縄県立埋蔵文化財センター調査報告書75:沖縄県の戦争遺跡』沖縄県立埋蔵文化財センター
沖縄県立埋蔵文化財センター 2015 『沖縄県の戦争遺跡』沖縄県立埋蔵文化財センター調査報告書75
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ファイル
書名 沖縄県の戦争遺跡
発行(管理)機関 沖縄県立埋蔵文化財センター - 沖縄県
書名かな おきなわけんのせんそういせき
副書名 平成22~26年度戦争遺跡詳細確認調査報告書
巻次
シリーズ名 沖縄県立埋蔵文化財センター調査報告書
シリーズ番号 75
編著者名
編集機関
沖縄県立埋蔵文化財センター
発行機関
沖縄県立埋蔵文化財センター
発行年月日 20150331
作成機関ID 470007
郵便番号 9030125
電話番号 0988358752
住所 沖縄県中頭郡西原町上原193-7
報告書種別
埋蔵文化財(遺跡等)-発掘調査・分布調査・資料調査等
資料タイプ Research Paper
発掘調査報告 掲載されている(発掘調査報告書総目録の掲載対象)
所蔵大学(NCID)
JP番号
他の電子リソース
備考
War-Related Sites in Okinawa Survey Report on War-Related Sites from FY 2010 to 2014
所収論文
タイトル 沖縄県の戦争遺跡の特徴・課題
英語タイトル
著者
瀬戸 哲也
ページ範囲 316 - 322
NAID
都道府県 沖縄県
時代 昭和
文化財種別
史跡・遺跡種別 その他
遺物(材質分類)
学問種別 考古学
テーマ 軍事
他の電子リソース
引用表記
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抄録(内容要約)
タイトル 戦争遺跡の保存・活用の現状と方向性
英語タイトル
著者
瀬戸 哲也
ページ範囲 322 - 328
NAID
都道府県 沖縄県
時代 昭和
文化財種別
史跡・遺跡種別
遺物(材質分類)
学問種別 考古学 その他
テーマ 保存修復 活用手法 軍事
他の電子リソース
引用表記
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抄録(内容要約)
所収遺跡
遺跡名 沖縄県の戦争遺跡
遺跡名かな おきなわけんのせんそういせき
本内順位
遺跡所在地 沖縄県全域
所在地ふりがな おきなわけんぜんいき
市町村コード 47000
遺跡番号
北緯(日本測地系)度分秒
東経(日本測地系)度分秒
北緯(世界測地系)度分秒
東経(世界測地系)度分秒
調査期間
調査面積(㎡)
調査原因 保存目的の詳細確認調査
遺跡概要
種別
その他
時代
近代(細分不明)
主な遺構
人工壕
自然洞穴
構築物など
主な遺物
特記事項 種別 : 戦争遺跡
要約
 沖縄県立埋蔵文化財センターでは、かつて実施した戦争遺跡の分布調査をもとに、今後の文化財指定も念頭に置いた戦争遺跡の保存活用を検討するために、より詳細な考古学的な調査を実施することにした。戦争遺跡の調査方法やその評価についてはまだ不十分な面があるため、戦争遺跡における有識者で構成された調査検討委員会を組織し、より広い視野で本調査が実施できるように努めた。
 調査方法は、戦争遺跡をその性格や沖縄戦の経過などによる幾つかのグループ分けを行った。現地調査については、遺構の現況図などを作成することを第一の目的とした。砲台などの一部の遺構については、表土を部分的に掘削したが、壕は安全面を第一に優先として掘削を伴う調査は行わなかった。遺物については、文化財として一律に取り扱うことが現時点では困難と判断したため、採取しなかった。
 平成26年時点において、現地調査及び各教育委員会などの情報により、1,076か所(うち消失したと思われるもの13か所)の戦争遺跡を把握することになった。これらの戦争遺跡を時間軸で捉え、沖縄戦時とそれ以前のものに分けることとした。今回取り上げた戦争遺跡は、145か所である。
 沖縄戦以前の戦争遺跡として、海底線関係施設、海軍需品支庫、海軍望楼・特設見張所、防空監視哨、戦争に関連する施設・記念碑の7種類を認識している。特徴的なものとして、1896年に造られた最も古い戦争遺跡である崎枝の海底線陸揚室跡(石垣市)や、1941年に造られた中城湾臨時要塞跡(うるま市・南城市)、船浮臨時要塞跡(竹富町西表島)などが挙げられよう。
 沖縄戦の戦争遺跡として、飛行場、司令部壕、砲台、トーチカ・陣地、特攻艇秘匿壕、学徒隊壕、病院壕、官公庁壕、御真影奉護壕、住民避難地、偽陣地・偽兵器、被災・破壊痕跡、収容所の13ジャンルが確認されている。特徴としては、飛行場及び関連施設と共に、自然洞穴を利用もしくは人工的に掘削した地下陣地が圧倒的に多い。また、海岸には特攻艇秘匿壕やトーチカ・銃眼が多く見られるのは、当初は水際決戦が主眼とされたためである。実際の戦闘は、内陸に引き込む持久戦が取られたため沖縄本島中南部の陣地壕などにその戦闘の痕跡が多く残る。また、宮古島や八重山諸島、大東諸島では地上戦がなかったこともあり、飛行場及び関連移設や特攻艇秘匿壕などが良好に残存しており、第32軍の当初の航空作戦の配備状況が窺える。
 一般住民の避難については、1944年10月10日の大空襲を契機として防空壕が各地で掘られている一方、自然洞穴(方言名「ガマ・アブ」)や山間部が避難場所とされた。これら避難地では、特に沖縄本島中南部を中心に、食糧難・集団死・日本軍によるスパイ容疑・惨殺などの状況も生んだが、その理由の一つとして、軍民混在の状況であったことが考えられる。また、地上戦となったため、官公庁や病院も壕に作られ、特に天皇の写真を避難させた御真影奉護壕などはその最たる特徴と言える。
 今回、個別に取り上げた戦争遺跡は、今後の文化財指定も念頭に入れた取り組みが必要となってくる。その他の多数、または今後発見される可能性がある戦争遺跡も、今後の調査で重要性が認識される可能性は高く、遺跡の周知の徹底、記録保存も含めた開発対応を行うことが望ましく、各市町村や関係者との連携・協力が必要であろう。
 なお、戦争遺跡は、通常の遺跡における歴史的意義だけでなく、これまで平和学習の場として活用されてきており、今後も重要な視点である。しかしながら、その公開・活用により遺跡の崩壊や原状の改変などが見られる現状もあるので、今後さらなる検討が必要であろう。

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