南蛮人洋犬蒔絵硯箱の保存修復
On the Restoration of Ink Stone Case with Foreigner and Dog Design in Maki-e
勝盛 典子
( Katsumori Noriko )
南蛮人洋犬蒔絵硯箱(池長孟コレクション)は、桃山時代に製作された南蛮漆器の名品である。本作品は池長美術館開館の昭和15年 (1940) 以降、南蛮美術などをテーマとする展覧会において公開されてきたが、平成20年に作品点検においてカビを確認したため、平成20年度に保存状況の調査を実施し、応急的にカビを除去した。また、接合部や塗膜についてのダメージが作品全体に影響が及ぶ状態であったことから、平成23年度に継続して修理を実施した。
本稿では、平成20年度および23年度に実施した修理工程を報告する。いずれの修理も文化庁の指導の元に行われている漆工文化財保存修理に則り、原則として現状維持修理を行った。また、修理仕様に関しては、鶴見大学文化財学科加藤寛教授の指導を得た。
本稿では、平成20年度および23年度に実施した修理工程を報告する。いずれの修理も文化庁の指導の元に行われている漆工文化財保存修理に則り、原則として現状維持修理を行った。また、修理仕様に関しては、鶴見大学文化財学科加藤寛教授の指導を得た。
勝盛典子 2013「南蛮人洋犬蒔絵硯箱の保存修復」 『神戸市立博物館研究紀要』
https://sitereports.nabunken.go.jp/ja/article/19947