ウイロウパターン・ストーリー
The Story of the Willow Pattern Plate
岡 泰正
( Oka Yasumasa )
本稿はウィロウパターン(Willow pattern)という柳をモチーフにした図柄にまつわる物語の英文テキストからの完訳の紹介を、第一目的としている。かつては私は同じ物語の抄訳を1984年『神戸市立博物館研究紀要』第1号に掲載したことがあり、今更という気持ちもあるが、その完訳とその後24年間に得られた知見の一端を紹介することも多少の意義があるように思い、ここに活字化することとした。ロマンティックこの上ない物語の紹介、併せてパターン成立の背景の若干の考察である。手本は、中国・景徳鎮窯がヨーロッパ向けに輸出した手描きの絵つけの染付磁器の図柄で、イギリスのデザイナーはこれを開発された銅版転写に置き換えて普遍性の高いパターンに仕立てた。それは、18世紀後期から19世紀にかけての東西文化交流史の特筆すべき事例なのである。
岡泰正 2009「ウイロウパターン・ストーリー」 『神戸市立博物館研究紀要』
https://sitereports.nabunken.go.jp/ja/article/19929
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