発掘調査成果から取り組む防災・減災 ―歴史災害痕跡データベースと全国遺跡出⼟地震痕跡データセットの公開ー
Disaster prevention and mitigation based on the results of excavation surveys
村田 泰輔
( MURATA Taisuke )
奈良文化財研究所が構築・公開した「歴史災害痕跡データベース」と「全国遺跡出土地震痕跡データセット」について報告する。両者は発掘調査で検出された過去の地震・火山噴火・水害等の災害痕跡情報を集成し、防災・減災に資する情報基盤の構築を目的とする。前者は調査地点単位で災害痕跡の有無・種別と地質情報、文献情報を統合し、災害痕跡分布を高精度に可視化するもので、長岡宮跡周辺では地震痕跡分布に粗密が確認された。後者は全国の報告書から地震関連語を抽出した痕跡分布データをCSV形式で公開し、GIS等で活用できる。両者は今後、火山噴火や水害にも対象を広げ、防災・減災に資する基盤情報の拡充を目指す。
村田泰輔 2025「発掘調査成果から取り組む防災・減災 ―歴史災害痕跡データベースと全国遺跡出⼟地震痕跡データセットの公開ー」 『第4回_日本災害・防災考古学会研究会資料・予稿集』
https://sitereports.nabunken.go.jp/ja/article/127849
