第Ⅶ章 小和田 宿遺跡
田中 万智
本年度調査地点はいずれも近現代に大きく削平を受けており、大部分では人間の活動痕跡の見られない無遺物層まで掘削が及んでいた。近現代層から近世~近代までの陶磁器を中心とした遺物が確認されているが、出土したのは9区、10区、12区であり離れた地点から出土している。宿遺跡は古代を中心とした年代の遺構・遺物が主体であるが、本年度の調査では近世前半以前の遺物が出土していない。このことから、削平された堆積土は別の場所へ運搬されたものと考えられる。10区、13区など標高が低い調査区では無遺物層が酸化を呈し、色調も赤褐色味を帯びていた。砂丘列の間に存在する砂丘間凹地・低湿地に近く、概ね現標高が10m以下になると無遺物層の酸化がみられる傾向が窺える。
田中万智 2025「第Ⅶ章 小和田 宿遺跡」 『公共下水道布設関連遺跡調査報告Ⅲ』茅ヶ崎市埋蔵文化財調査報告
https://sitereports.nabunken.go.jp/ja/article/127184
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