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富山城跡発掘調査報告書

URL https://sitereports.nabunken.go.jp/36061
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DOI http://doi.org/10.24484/sitereports.36061
引用表記 北陸航測株式会社 2018 『富山市埋蔵文化財調査報告93:富山城跡発掘調査報告書』富山市教育委員会埋蔵文化財センター
北陸航測株式会社 2018 『富山城跡発掘調査報告書』富山市埋蔵文化財調査報告93
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書名 富山城跡発掘調査報告書
発行(管理)機関 富山市 - 富山県
書名かな とやまじょうあとはっくつちょうさほうこくしょ
副書名 総曲輪レガートスクエア整備に伴う埋蔵文化財発掘調査報告 ; 2
巻次 第1分冊
シリーズ名 富山市埋蔵文化財調査報告
シリーズ番号 93
編著者名
編集機関
北陸航測株式会社
発行機関
富山市教育委員会埋蔵文化財センター
発行年月日 20180330
作成機関ID 16201
郵便番号 939-2798
電話番号 076-465-2146
住所 富山県富山市婦中町速星754番地 婦中行政サービスセンター本館3階
報告書種別
埋蔵文化財(遺跡等)-発掘調査・分布調査・資料調査等
資料タイプ Research Paper
発掘調査報告 掲載されている(発掘調査報告書総目録の掲載対象)
所蔵大学(NCID)
JP番号
他の電子リソース
備考
所収論文
所収遺跡
遺跡名 富山城跡
遺跡名かな とやまじょうあと
本内順位
遺跡所在地 富山県富山市総曲輪四丁目
所在地ふりがな とやまけんとやましそうがわよんちょうめ
市町村コード 16201
遺跡番号 0442
北緯(日本測地系)度分秒
東経(日本測地系)度分秒
北緯(世界測地系)度分秒 364131
東経(世界測地系)度分秒 1371239
経緯度(世界測地系)10進数(自動生成) 36.691944 137.210833
※当該位置周辺を表示し、同一名称の遺跡データが存在する場合は遺跡をポイント表示します。
調査期間
20150508-20151116
20160412-20160720
調査面積(㎡)
3565.5
704.86
調査原因 総曲輪レガートスクエア整備
遺跡概要
種別
集落
城館
時代
弥生
古代(細分不明)
室町
戦国
江戸
近代(細分不明)
主な遺構
室町-区画溝
井戸
土坑
戦国-堀
区画溝
井戸
土坑
柵列
掘立柱建物
江戸-堀
区画溝
井戸
土坑
水溜状遺構
馬屋
柵列
近代-土坑
主な遺物
室町-土師器皿
珠洲
瀬戸美濃
中国青磁
中国青白磁
戦国-土師器皿
瀬戸美濃
越前
中国青磁
中国白磁
石製品(石臼)
五輪塔
宝篋印塔
取鍋
江戸-土師器皿
瀬戸美濃
京・信楽
越前
中国白磁
中国染付
唐津
伊万里
越中瀬戸
木製品(下駄)
木製品(漆器)
土製品(人形)
金属製品(簪)
骨角製品(裁縫用ヘラ)
石製品(碁石)
石製品(石臼)
板碑
五輪塔
近代-木製品(富山地方裁判所木札)
特記事項 中世荘園「富山郷」の遺構や、武家居館の堀を確認。
中世富山城期の堀や、複数のかわらけ廃棄土坑等を確認。
近世富山城三ノ丸内の武家屋敷地の変遷や、18世紀の整地跡、絵図にある馬屋、防火水槽と考えられる水溜状遺構等の遺構を確認。
三ノ丸に設置された富山地方裁判所関連遺物が出土
要約  本調査区は富山藩の重臣屋敷があった富山城三ノ丸南西部の調査である。 調査の結果、三ノ丸となる以前にも室町時代・戦国時代の遺構が広がっており、中世荘園「富山郷」の集落から富山城三ノ丸の近世城郭への変遷が明らかとなった。
 室町時代中期の区画溝は、『吉見詮頼寄進状』(応永5(1398)年)が記された時期と一致することから、中世荘園「富山郷」の遺構と考えられると同時に、富山郷にはN-10~12°-Eを主軸とする条里地割が施工されていたことが分かった。室町時代や戦国時代の溝・堀、重複する近世の区画溝、慶長期富山城外堀が富山郷の条里地割と同じ主軸方向を持つことから、条里地割が踏襲されていたと考えられる。
 調査区中央で16世紀前半の武家居館の堀を検出した。調査区南北端で中世富山城の堀であった可能性がある16世紀後半~17世紀初頭の堀を検出し、城の範囲が本調査区まで拡がっていたことが考えられる。また、居館や曲輪内部で行われた宴会の片付け痕跡と考えられる16世紀代のかわらけ廃棄土坑を複数検出した。
 江戸時代の廃棄土坑や井戸等からは大量の陶磁器類が出土しており、重臣屋敷での陶磁器の使用状況が分かる好資料と言える。
 多発する火事への対策として18世紀に構築された石組の水溜状遺構を検出するとともに、洪水による埋没と縮小再開削の変遷を確認した。また、調査区南東で江戸時代後期の絵図に描かれる馬場にあったと考えられる馬屋を検出した。
 調査区全体の出土遺物の観察結果は下記のとおりである。①中世の遺構の主体を成すのは珠洲衰退後の16世紀であることから、中世を代表する調理具・貯蔵具である珠洲が極めて少なく、越前が多い。②16世紀末の越中瀬戸窯の成立と流通を境に、土師器皿の生産が漸減し、越中瀬戸素焼皿が17世紀末~18世紀前半に向けて急増する。③16世紀末~17世紀中頃に輸入され流通した、組成の中国漳州窯染付が一定量出土する。④富山城下町遺跡と同様、18世紀前半には越中瀬戸・唐津等とともに、京・信楽系の供膳具が一定量搬入し、使用される。

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